甲州羽毛ふとん® コラム

知っておきたい。羽毛ふとんのがわ生地について

甲州羽毛ふとん
羽毛ふとんのがわ生地について
羽毛ふとんは、羽毛の種類も大切ですが、羽毛を覆うがわ生地も重要です。快適な睡眠のためには、がわ生地もこだわりたいポイントです。
そこで今回は、羽毛ふとんのがわ生地について解説します。羽毛ふとんを購入される際に参考にしてください。

羽毛ふとんのがわ生地とは

羽毛ふとんのがわ生地とは
がわ生地とは、ふとんの中身を覆っている生地のことです。羽毛ふとんであれば、羽毛をいれる生地のことをいいます。がわ生地があることで、保温性を高めたり、汚れを防いでくれます。がわ生地が快適な睡眠をサポートしてくれるため、羽毛ふとんを選ぶ際には注視しておきたいところです。

羽毛ふとんのがわ生地の選び方

羽毛ふとんのがわ生地は、ダウンの柔らかさとかさ高性を生かすため、薄手でなるべく軽量な生地がおすすめです。快適にお使いいただくためには、ムレ感を防ぐためにある程度の通気性も必要になります。
ナイロンやビニールなど通気性の少ない生地では風船の様なものになり身体に沿うふとんにはなりません。
また、ガーゼなど通気性の良すぎる生地では織り目からファイバー(ダウンの羽枝がちぎれたもの)などが抜け出してしまいます。
よって、羽毛ふとんの生地はできるだけ軽量である程度の通気性があり、吸水性も高いものが最適と言われています。

がわ生地の製造工程

羽毛ふとん用のがわ生地は、「紡績(糸を紡ぐ)」、「織布(生地に織り上げる)」「染色(生地を染める)」の3工程から出来上がります。
染色の最後に吹き出し防止加工(ダウンプルーフ加工)を施します。
ダウンプルーフ加工とは、言葉の通り羽毛が生地の織り目から抜けだしにくくする加工です。蒸気で熱した大きな鉄のロールの間にがわ生地を通し、圧力をかけて生地の織り目をつぶし、織り目の隙間を小さくして羽毛の吹き出しを防止します。

がわ生地の織り目について

吹き出し防止加工を施したがわ生地でも、織り目があり一定の通気性があるため、生地の織り目から小さなファイバーなどが抜け出ることがまれにありますが、大きなダウンやフェザーが織り目から出てくることはありません。
羽毛ふとんのカバーを洗濯の際に、中の四隅に小さなファイバーが溜まっているケースがありますが、柔らかく、通気性の良いがわ生地では起こり得ることです。
大きなダウンやフェザーでなければご使用上は問題ありません。

また、織物であるため織り目が存在し、経年経過につれて徐々に織り目が大きくなりダウンプルーフ加工が取れていきます。
ダウンファイバーは、とても細いので羽毛ふとんの上に乗ったり、叩いたりすることによって力が加わり、生地の織り目から抜け出てきますので日頃のお取り扱いにはご注意ください。
織り目は経年経過するにつれて自然に大きくなっていきますので、ファイバーの吹き出しが多くなる場合がありますが、羽毛そのものは上手に使えば30年、いや50年は使える繊維です。お使いの環境や状態によっても異なりますが、5年~10年くらいで、がわ生地交換や、リフォームなどのメンテナンスをしていただければ永く快適にご使用になれます。

織り方(織り組織)の種類

織り方(織り組織)の種類
少し専門的になりますが、生地は織り方(織り組織)によっても特徴が異なるため購入の参考にしてください。

1.平織(ブロード)

平織は、経(タテ)糸と緯(ヨコ)糸が一本ずつ交互に交差した最も一般的な組織です。ブロードとも呼ばれています。
平織は一定面積での経糸と緯糸の組み合せが一番多いため、一番丈夫な織物ですが風合いが若干固く感じます。
平織の羽毛ふとんがわ地は同じ糸番手で比べると、綾織(ツイル)や朱子織(サテン)に比べて打ち込み本数が少なくてすむため軽量です。

2.綾織(ツイル)

綾織は、ツイルとも呼ばれ、布面に斜めに畝が現れて見える組織です。この畝を綾目または斜紋線といいます。
一番簡単なものは、経糸3本と緯糸3本の組み合わせで、出来上がります。
綾織は平織より柔らかで光沢もありますが、同じ糸番手ではやや厚地になるため重くなります。

3.朱子織(サテン)

朱子織は、経糸か緯糸のどちらか一方が4本以上浮き、交差点が規則的に飛んで位置をずらしている組織です。サテンとも呼ばれています。
光をよく反射し光沢があるのが特徴です。朱子織には表面に経糸を多く浮かせたものと緯糸を多く浮かせたものがあり、経糸を多く浮かせたものは経朱子、緯糸を多く浮かせたものを緯朱子といいます。
朱子は糸の浮きが長いので、光沢があり風合いはソフトになります。

織り組織による価格の違い

経糸(タテ)、緯糸(ヨコ)それぞれに同じ番手の糸を使った場合、生地の打ち込み本数が、平織、綾織、朱子織の順に多くなります。
そのために糸使用量が必然的に増えてくるので価格も平織、綾織、朱子織の順に高くなるのが一般的です。

ダウンプルーフ加工の難しさ

羽毛が生地の織り目から抜けだしにくくするダウンプルーフ加工は、生地に圧力をかけるため、通気性を抑えようとすればするほど風合いは堅くなります。
しかし、それでは細番手の高級綿糸を使用したことが無駄になってしまいます。柔らかく仕上げたいが通気性は抑えたい、このふたつの要素をうまく両立させる技術が世界的に見ても日本の染工場は優れており、柔らかい風合いを保ちながら通気性を抑えることに成功しています。また、生地が柔らかい方がもちろん快適なのですが、ダウンプルーフ加工によって風合いが若干硬くなることも知っておきたい点です。

がわ生地に使われる素材は?

がわ生地は、さまざまな素材が使われています。

肌触りが良い「シルク」

肌触りが良い「シルク」
シルクは蚕のまゆから作られる素材です。表面の光沢が特徴で、肌触りも良い素材です。シルクは、温度や湿度を適度に保ち、吸湿・放湿性に優れています。
しかし、シルクは綿と比較して耐久性が弱く高価であるという点がデメリットです。

大人気の「綿」

大人気の「綿」
天然素材である綿は、がわ生地としてよく使われていて、人気の素材でもあります。通気性や吸湿性、放湿性にすぐれていて、快適な眠りをサポートしてくれます。綿の中でも、「超長綿」という素材は、肌触りもよく軽量なのが魅力です。

ただし、綿は厚手になってしまうと、通気性や吸湿性が劣ってしまいます。できるだけ細い糸で織られた綿の生地が使われた羽毛ふとんがおすすめです。
綿には、細い糸を表す番手という単位があります。良質な綿素材を求めるなら60番手、上質な綿素材は80番手、最高級な綿素材は100番手となります。数字が大きくなればなるほど、細い糸ということです。

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ポリエステル100%は、あまりおすすめしない

化学繊維である、ポリエステル素材が、がわ生地として使われている場合もあります。
しかし、ポリエステルは吸湿性があまりなく、熱がこもりやすくなります。そのため、寝ているときに暑苦しさを感じてしまうことも。暑苦しくなると汗をかきやすくなり、汚れや臭いの原因となります。そのため、がわ生地はできるだけ、天然素材100%のものか、ポリエステルと天然素材が一緒に配合されたものがおすすめです。

まとめとよくある質問

今回は、羽毛ふとんのがわ生地についてご紹介しました。
がわ生地は、羽毛ふとんを快適に利用するためには重要なポイントです。熱がこもって暑苦しくならないように、通気性や吸湿性に優れた素材をがわ生地に使った羽毛ふとんがおすすめです。羽毛ふとんを選ぶ際は、ぜひ参考にしてください。

最後によくある質問をまとめました。

A:羽毛ふとんは、基本的には洗えません。部分的に汚れてしまった場合は、濡れた布ですぐに拭き取ったり、つまみ洗いなどをしたあとに、十分に乾燥させてください。全体的に汚れてしまった場合は、専門のクリーニングに出すことをおすすめします。

A:がわ生地が破れた場合は、リフォームに出すなど専門の業者に修正してもらうようにしましょう。縫ってしまうと縫った穴から羽毛が出てきてしまうため、縫うことは避けましょう。

A:カバーをつけることで汚れや破れから守ることができます。羽毛ふとんは洗えないため、清潔な状態を保つためにも、ふとんカバーをつけることをおすすめしています。

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滝口彰彦

1967年山梨県生まれ。 中学生の時に父親に連れられ、ドイツの展示会で初めて羽毛布団に出会う。 羽毛布団の素晴らしさに魅せられ、寝具小売業へ就職ののち、製造に携わりたい思いで工場へ転職し、日本中の問屋へ羽毛布団の卸売りを手掛ける。 その後、タキ・リビングを立ち上げ、「甲州羽毛ふとん」ブランドを展開。現在に至る。

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